今回は母趾内転筋についてまとめていく。
医療職の方など触れる機会が多いと思うので、
みなさんの参考になれたらと思っている。
母趾内転筋の起始、停止、作用などは?
母趾内転筋
引用画像:グーグル画像より
起始:横頭:第3~5指中足指節関節の関節包
斜頭:立方骨、外側楔状骨、第2,3中足骨底
停止:母趾の基節骨底の外側
神経:外側足底神経(S1~S2)
作用:MTP(中足指節)関節の屈曲、母趾の内転、
内側縦アーチの形成にも役立つ
横アーチの形成、
日常生活動作:立位バランスの向上
衝撃吸収
スポーツ動作:スキー、サーフィンなどの動作に関係
特徴としては、起始が
二つあること。
「横頭」と「斜頭」があること
「横頭」には第2趾には付着せず、
「斜頭」には第5趾に付着しないことである。
また、偏平足になると距骨が回内し
内側縦アーチがつぶれる。
よって、母趾側の負担が増え
母趾内転筋への圧がかかり短縮位になる。
母趾内転筋の触診方法
母趾内転筋斜頭
①母趾内転筋の斜頭は外側手指骨の外側に指をあて、
開始肢位より母趾MTP関節を伸展、内反方向へ
他動的に引き母趾の屈曲運動を指示する
あらかじめ母趾内転筋を緊張した肢位に置くことで
収縮を誘発
②伸展・内反方向へ引いた母趾が
屈曲方向へ戻る筋肉を
踵立方関節へ向かって触診する
母趾内転筋も第3層に位置する深層筋であるため
指は深くあてる
*指を深くあて押し上げてくる感覚を養う
母趾内転筋横頭
母趾内転筋横頭の触診は
外側種子骨に対し遠方にゆびを当てる
開始肢位より母趾MTP関節を伸展・内反方向へ
他動的に引き母趾の屈曲運動を指示
第5中足骨をあらかじめ触診し、
外側種子骨と第5中足骨頭を結ぶ線上に
触診すると分かりやすい
②伸展、内反方向へ引いた母趾が
屈曲位により中間位に戻る動き(屈曲、内転)に伴い
収縮する母趾内転筋横頭を第5中足骨頭へ向かって触診。
指はやや深めに当て
運動に伴い指を押し上げてく感覚を養う
引用画像:運動療法のための機能解剖学的触診技術
母趾内転筋のストレッチ
母趾内転筋の作用は母趾の内転なので、
その逆の作用にはたきかけるように
動かす。
母趾内転筋自体、作用は内転だが
直接内転の効果を発揮しづらく
ゆかをつまむような動きのときに使う筋肉だ。
(起立時の足趾把持時など)
手指で足趾を軽く把持し伸展方向に伸ばす
(10秒~20秒キープ)
*この時に筋肉が伸ばされるのを意識すること
母趾内転筋のトレーニング
母趾内転筋は筋力低下すると
横アーチがつぶれてしまう。
結果開帳足になる。
開帳足になると外反母趾、内反小趾を誘発し
歩行時のウインドラスのトラス機構が発揮できなくなり
立脚後期が作れず股関節、骨盤の代償が多くなる
可能性が高い。
その予防の一環として、
トレーニング方法を紹介する。
母趾内転筋(横頭)
①座った状態で足指を曲げたり、伸ばしたりする
②10秒キープし曲げたり、伸ばしたりする
(斜頭)
①母趾のMP関節を小指側に曲げる
10秒×1セットを2回くらい
外反母趾時の母趾内転筋の位置関係
扁平足になると重心が土踏まずにかかるので、
足の親指側の負担が増える。
*4つの筋肉が劣ると
扁平足の原因になる。
長趾屈筋
長母趾屈筋
前脛骨筋
後脛骨筋
この4つの筋肉は扁平足にならないためにかかせない
4つの筋肉だ。
引用画像:グーグル画像より
よって足底の親指の内側についている
「母趾内転筋」が短縮する。
加えて、つま先が細くなった靴を履いている人は、
親指が内側に圧迫されて「くの字」になりやすい。
すると足の甲から親指の付け根にかかる
「第1中足骨」が内側に折れる。
これが外反母趾。
この状態がひどくなると、本来は親指を外側に開く
働きを持っているはずの「母趾外転筋」も
骨と同時に小指側に入り込んでしまう。
すると、いざ親指を開こうとしても言うことを聞かなくなる。
自分は、親指を開く方向に働かせているつもりなのに、
母趾外転筋は反対に「内転」方向に働いて、
親指を閉じるようになります。結果的にどんどん
外反母趾を増強してしまう。
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